<米政策改革について>



1、 我が国の水田農業は、米の需要量が年々減少する中で、4割に上る減反を行いつつ

 も、米の過剰基調が継続している。そのことが米価の低下を引き起こし、担い手の水田

 農業経営を困難としている。また、米の生産調整については、「誰のため、何のための

 生産調整か」というメッセージが不分明となり、生産現場では生産調整をめぐり不満、不

 公平感、閉塞感がつのっている。30年間続けてきた生産調整方式は、誰も今のままで

 良いという者がいない、まさに限界にきている状況にあった。
 



2、 こうした状況の中で、農林水産省は、今年1月「生産調整に関する研究会」を立ち上

 げ、6月中間とりまとめ、10月、米政策の見直しについて、生産調整の廃止、当面継続

 など4つの選択肢を提示した。一方、自民党においても、10月以降党農業基本政策小

 委員会の場で、連日精力的に米政策改革の議論を続けた。農林水産省と農業団体とは

 とりわけ生産調整に対する国の関与のあり方、また過剰米対策の二点で真っ向から対

 立する状況にあり、
JAは連日要請活動を続けた。自民党農業基本政策小委員会の場

 は、激論の応酬ともなったが、11月29日、自民党総合農政調査会、農業基本政策小

 委員会委員長まとめになる「新たな米政策改革大綱骨子」により政治決着が図られた。

 骨子では、新たな米政策に向けて過剰米の抜本解消が必要であるとし、移行期間を5

 年、焦点の国の関与については、「国民食糧の確保は国の基本的責務であり、国の関

 与は必要」であるとした。そして今後の方向としては、農業団体のより自主的、主体的な

 取組み強化を目指しつつ、国の関わりの程度については経過を見極めながら判断する

 とした。



 
3、 食糧庁の生産調整研究会も、同日、自民党の判断をそのまま最終報告に盛り込み決

 着。自民党の骨子を受けて、農林水産省は12月3日、米政策の大転換を図る「米政策

 改革大綱」を決めた。大綱では、今後、消費者重視、市場重視の考え方に立って、需要

 に即応した米づくりの推進を図ることとし、需給調整システムについては、平成20年度

 に農業者、農業者団体が主役となるシステムを国と連携して構築するとし、この間、農

 業者、農業者団体の自主的・主体的な取組みの強化を目指すものとした。同時に、「国

 及び地方公共団体の役割を食糧法上明確に位置づける」ことが大綱で明記された。ま

 た、平成16年度からの当面の需給調整のあり方については、生産数量を調整する方

 式へ転換し、生産数量の目標は、行政及び農業者団体の両ルートで配分することとさ

 れた。助成措置については、地域の多様な取組に応えられる弾力的な「産地づくり推

 進交付金」が創設され、豊作による過剰米については、「過剰米短期融資制度」が創

 設される。また、経営政策、構造政策としては、集落段階での話し合いを通じ、地域ご

 とに担い手を明確化することとし、また、認定農業者に加え、「集落型経営体」を担い

 手として位置づけることとした。また、一定規模以上の水田経営を行っている担い手を

 対象に、「担い手経営安定対策」を講じることとした。今後、次期通常国会での食糧法改

 正や新しい米政策の具体策の制度設計に向けて、農業者が安心して農業に打ち込め

 るよう引き続き尽力して参りたい。