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1、 12月12日、経済対策閣僚会議は、10月30日とりまとめられた「改革加速のた めの総合対応策」を補完、強化するため、「改革加速プログラム」を策定し、これに基 づき、平成14年度補正予算を編成し、年度を通じた切れ目のない対応を図ることと した。補正予算の規模は、 1、経済・社会構造の変革に備えたセーフティ・ネットの構築として、(1)雇用対策の強 化(0.5兆円)、(2)中小企業等対策の充実(0.5兆円)、(3)創業・新規開業の支援等 (0.3兆円)、(4)少子・高齢化の進展に備えた公平で安心な社会の確立(0.2兆円)、 にあわせて国費1.5兆円、 2、構造改革推進型の公共投資の促進として(1)都市再生及びこれを促進する都市 機能高度化の推進(0.3兆円)、(2)魅力ある都市と地方の再生に向けた基盤整備(0.6 兆円)、(3)環境問題等緊急課題への対応(0.6兆円)、に合わせて国費1.5兆円、合 計国費3兆円、事業規模4.4兆円規模となる。これら改革加速プログラムにおける施策 は、構造改革の加速に併せて緊急に措置することが必要な施策及びデフレ抑制に直 接的に資する施策とされた。 2、 改革加速プログラムに基づく補正予算フレームは、改革加速プログラム関連経費3 兆円のほか、義務的経費の追加、既定経費の節減を盛り込み、歳出24,590億円とな り、これに対応する歳入は、税収減△25,400億円、公債金収入49,680億円となった。 3、 12月19日、「平成15年度の経済見通しと経済財政運営の基本的態度」が閣議 了解された。閣議了解においては、厳しい経済情勢にあっても、日本経済の再生を図 る道は、「聖域なき構造改革」を迅速かつ着実に推進する以外にないとされ、経済活 性化に向け、金融システム改革、税制改革、規制改革及び歳出改革の四本柱の構造 改革の取組みを加速することにより、デフレを抑制しながら、民間需要主導の持続的な 経済成長の実現を目指すことを基本に経済財政運営を行うこととした。 4、 そして、その政策運営にあたっては、14年度補正予算と15年度予算を一体として 切れ目なく運用するほか、雇用や中小企業のセーフティ・ネットには万全を期し、また、 デフレ克服に向け、政府・日本銀行は引き続き一体となって強力かつ総合的な取組み を実施するとした。 5、 また、平成15年度の経済見通しについては、14年度補正予算、税制改革による 減税を含め政府、日本銀行一体となった政策の効果が発現し、さらに、年度前半には 世界経済も徐々に回復していくことが見込まれることから、不良債権処理の加速に伴 う影響等はあるものの、企業部門も緩やかに回復し、我が国経済は、民需中心の緩や かな回復へと次第に向っていくことが期待されるとしている。 その結果、我が国経済は、国内総生産の実質成長力が0.6%程度(名目成長率は△ 0.2%程度)となるとした。個人消費は、0.4%増、民間住宅は△2%、設備投資1.8%増、 公需0%、外需0.1%増、完全失業率5.6%、鉱工業生産2.0%増、消費者物価△0.4% とそれぞれ見込んでいる。 6、(1) 12月20日、平成15年度予算の財務省原案が内示され、各省庁と財務省との 復活折衝を経て24日、15年度予算案が閣議決定された。一般会計817,891億円 (+0.7%)、一般歳出475,922億円(+0.1%)とやむを得ない増要因を除き、実質的 に14年度を下回る予算となった。社会保障関係費が189,907億円、3.9%増、科学技 術振興費が12,298億円、3.9%増と伸びた一方で、公共事業関係費は80,244億円、 △3.9%と抑制された。 (2) 一方、中小企業対策費は、1,729億円と△7.1%となっているが、14年度補正 予算で5,000億円が計上されており、15か月予算としては、前年度(13年度補正+14 年度当初)と比べ、5割増となっている。なお、中小企業対策としては、以上の予算措 置に加え、15年度税制改正における中小企業関係の減税規模4,800億円と合計する と、15年度に向けて1兆円を超える対策が講じられたこととなる。 (3) また、道路特定財源は直入分7,033億円を除く27,913億円のうち、道路歳出 24,687億円を超える額については、930億円を地方に税源移譲し、2,245億円を本四 公団の債務処理に充てた。また、道路特定財源の使途拡大として地下鉄インフラ整 備等に400億円を充てたが、前年度道路予算の中で措置した本四公団への無利子貸 付け1,800億円がなくなったため、道路関係予算は実質的に拡大した。一般道路予算 は、30,990億円で対前年度比+497億円、2%の伸びとなった。なお、直轄方式の高 速道路整備に1,000億円を投じ、地方は税源移譲分から約300億円を負担する(国:地 方=3:1)。 7、 一方歳入は惨憺たる状況である。税収は417,860億円と前年より5兆円以上も激 減、バブル前、昭和61年度の税収水準となってしまった。平成元年に消費税が創設さ れたことを勘案し、消費税収を除いて比較すれば実に昭和50年代の税収水準となる。 公債発行額は364,450億円、14年度補正後349,680億円を上回り、公債依存度は 44.6%と異常な高さだ。15年度末の国債残高は450兆円に上り、国地方あわせた長 期債務残高は685兆円程度と見込まれる。 8、 私は,税収が予算の半分という大幅な税収不足を背景に組まれた予算としてはや むを得ない予算案だと思う。厳しい税収の中で研究開発・IT投資減税、中小企業税 制、土地税制など1.8兆円の先行減税を実施、都市再生、科学技術振興予算への重点 配分、必要な道路予算を確保するとともに14年度補正と合わせ中小企業へのセーフ ティネットの拡充など、配分を思い切って見直させたとまではいえないが、重点配分の 方向性は示せたのではないかと思う。ただ総じて緊縮型の予算となっていることも事 実であり、日本経済が一段と不透明さを増す中でこれで景気の下支えとするには力不 足だと思われる。経常的な経費は思い切って削っても需要創出型の公共投資は確保 すべきではなかったか。要は,中長期の問題として財政再建をしっかり視野に入れた 上で、当面は経済の再生と景気回復に全力を挙げるという両にらみの態勢が必要な のではないか。今後は、景気に下押し懸念が増す中で、機動的な経済財政運が一段 と求められることとなろう。政治は国民の期待感をつなぎとめるところにあることを忘 れてはならない。 9、(1)12月21日自民党総務部会において、15年度地方財政対策と予算復活要求重 点事項の説明があり審議された。15年度地方財政の姿は、@地方財政計画の規模86 兆2,100億円(△1.5%)、A地方一般歳出69兆7,200億円(△2.0%)、B地方単独事 業14兆8,800億円(△5.5%)であり、地方交付税総額は18兆700億円(△7.5%)、た だし,地方交付税と臨時財政対策債を加えると23兆9,400億円(+5.1%)となる。 また地方債総額は15兆700億円(+19.2%)と説明された。 (2)そして、地方の財源不足の補てんのうち、恒久的な減税に伴う減収の補てん3.2 兆円及び15年度税制改正における先行減税に伴う減収の補てん0.7兆円のほか、 通常収支の不足の補てんは13.4兆円に上った。これについては、交付税特別会計借 入金を廃止し、財源不足のうち財源対策債等により補てんする額を除く額については、 国と地方が折半し、国負担分については一般会計からの繰り入れにより、地方負担分 については特例地方債(臨時財政対策債)により補てんすることとされた。 税の圧縮がいわれ、義務教育費国庫負担金等の見直しによる地方への 負担転嫁が 喧伝される厳しい状況の中で、今回、地方財政当局があくまでもルールに基づく地方 財政対策及び国庫補助負担金の一般財源化の措置を貫き、 地方団体及び国民にき ちんと説明のつく対応をしたことを称え、その労をねぎらった。そして続けた。しかしな がら、地域経済の現状はまことに厳しく、地域の建設業も工場の下請けも仕事がない というのが一番の問題、投資的経費△5.5%のマイナスは極力圧縮すべきであった し、一方で一般行政経費の切り込み(△0.3%)が足りない。このうえは、地域経済ない しは民間の厳しさを考えれば地方団体に一層の行政改革努力を求めて欲しいと要請 した。要は役所内部の冗費は大胆に削り、役所から外部に最大限の仕事を出すこと が肝要だと指摘した。 (4) また軍人恩給費の財務省原案が△0.58%であったことについて、総務大臣が物 価、給与ともにマイナスの時世であるので財政当局がメンツにかけてもマイナスにだ けはしたいとしているという意見を紹介しつつも、国家補償的性格を加味して断固頑張 ると決意の挨拶を述べられたことに関連して、既に△0.58%ということは金額の問題 ではなくなっている、厳しい時だからこそ軍人恩給や公務扶助料等の国家補償の性格 がはっきり問われ、明らかになる。要は、尊い一命を国家に捧げた戦没者の遺族そし て貴重な青春を国に捧げた旧軍人に対する心の問題であり、メンツの問題であったら 財政当局よりも自民党のメンツのほうが大事だ。自民党としてこの問題に、はっきり態 度と実績で示すべきだとして、軍人恩給、公務扶助料等の据置きを求め、政府・自民党 を督励した。軍人恩給、公務扶助料は、大臣折衝の結果、恩給の有する国家補償的性 格、受給者の一層の高齢化等の諸事情を総合勘案し、恩給年額等は据置きとされた。 (5) これに先立つ12月12日自民党政調総務部会、地方行政調査会合同会議が開か れ、地方財政対策の現状と課題そして市町村合併の議論がされた。私はその席上にお いても地方では仕事がなく、苦しんでいる。地方に仕事があるように地方財政対策を 講じるべきであるし、また地方財政計画であげられた単独事業を大幅に下回って計上 している地方団体については、国として個別指導をすべきではないかと要請した。 (6)また、自民党総務部会におかれた地方自治に関する検討プロジェクトチームの市 町村合併の促進についての中間報告について、中間報告で今後の課題として、「合併 促進策を講じた後になお残る小規模市町村(例えば人口1万未満)については、引き 続き基礎的自治体と位置付けるとしても、通常の市町村に法律上義務づけられた事 務の一部を都道府県又は周辺市町村が実施する仕組みとすること等の方策につい て、今後さらに検討する。」とされていることについて、次のように発言した。 (7)明治以来、日本の市町村制度は画一化の方向をたどったが、20数年前昭和54 年の第17次地方制度調査会答申(なお、この答申案は私が若き頃ほぼ全文を書き上 げたものである。その後、地方自治法改正はほとんど全てこの答申案の系譜にあり、 また具体化したものである。)以降、市町村に事務移譲を進めるため、市町村一律でな く、市町村の規模能力に応じた事務移譲、また市町村のあり方が求められるようにな った。中核市、特例市はその一環で実現をみたものであり、また、小規模市町村の問題 もそうした議論の一環でとらえられているものである。既に20数年も議論されているも のであり、今回初めて問題になったものではない。アメリカを始め諸外国でも地方制度 が論じられるときには、当然に議論がされている問題である。 要は、どうしたら行政事 務サービスを的確に住民に提供できるか、そのための行政体制はどのようなものが望 ましいかという問題として絶えず論ずべき問題であって、検討は大いにすべきである。 また、市町村自身で議論が起きることも良いことである。決して小規模市町村切り捨て などという問題ではない。ただし、検討は現に小規模市町村が実在する問題でもあり、 市町村合併の進み具合をみて、温かい心のぬくもりをもって、最後は政治の責任で十 分な検討をしてもらいたいと注文を加えた。中間報告は自民党政調総務部会で了承さ れた。 |