1、        平成144月、長野・上田地域が、全国10箇所の知的クラスター創成事業実施地域の一つとして選定された。知的クラスターとは、知的創造の拠点たる大学等を核とし、研究開発型企業等が集積する研究開発の拠点、いわば日本版のシリコンバレーを目指そうとするものである。私は、産業空洞化に悩む地方の研究開発型拠点整備の一つのモデルとして、サンショは小粒でもピリリと辛いという、分野は特化しているが個性ある研究開発に秀でた地方都市地域のいくつかを、知的クラスターの実施地域として取り上げていくことが、知的クラスター創成事業に国土政策的な観点を付与し、そのことが知的クラスター創成事業の今日的意義にも合致するのではないかと主張し、文部科学省に受け入れられたものである。ただし予算枠10という制約のため、結局、地方都市で知的クラスターに選定されたのは長野・上田地域一つにとどまった。

 

2、        私は、知的クラスターという研究開発型拠点の選定は、昭和39年からの新産・工特21地区の指定、昭和58年からのテクノポリス構想26地域の計画承認と並ぶ、まさに今の時代を画する事業としてその今日的意義は大変高いものと評価している。

 

3、        既に、信州大学繊維学部敷地内には、平成142月、全国で2番目となる上田市産学官連携支援施設が、私も尽力し経済産業省の補助金を得て設置されフル稼働している。そして、知的クラスター創成事業として、国から毎年5億円5年間で25億円の補助金を受け、信州大学繊維学部が中心となって、産学官連携により機能性ナノ高分子材料を核にした有機ナノマテリアルデバイスすなわち有機半導体レーザの研究開発、有機LED素子技術の開発とそれらを核にした応用製品開発が進められている。また、信州大学工学部が中心となって、ナノカーボンコンポジットによるスマート機能デバイスの研究開発が行われている。

 

4、        16年度は、知的クラスター事業3年目を迎え、事業の中間評価が行われているが、長野上田スマートデバイスクラスターは、分野は限られているが高い評価を受けつつある。とりわけ、日置電機と信州大学による共同研究、有機LED(発光ダイオード)の新規製造技術の開発は、従来の有機LEDの製造方法は真空状態を作り出す装置が必要であったが、世界で初めて、真空状態での作業が省ける有機LEDの新規製造技術の開発に成功したとして、知的クラスターによる全国5つの成功事例のうちの1つとして文部科学省から紹介された。