1、新直轄方式による高速自動車国道の整備については、昨年の通常国会において、
新直轄方式による高速国道整備に関する法律改正が行われたところである(別添第
156回国会3月19日衆議院国土交通委員会議事録 岩崎忠夫委員の質問参照のこと)。
2、平成15年11月28日自民党国土交通部会・道路調査会合同会議において、高速自動
車国道の評価結果について佐藤国土交通省道路局長から説明があった。新直轄方式
で整備する区間選定の考え方については、高速道路の評価手法に基づき、必要性を
厳格に検証。評価結果を公表するとともに、関係都道府県から整備方式(新直轄方
式あるいは有料道路方式)に関する要望を聴取。これらを踏まえ、国土交通省にて
原案を作成し、国幹会議の議を経て、新直轄方式に切り替わる区間を選定するとい
うものであった。
3、中部横断道の二区間の評価結果は、点数が45未満の最低ランクのDグループにラ
ンクされ、未整備区間約2,000kmの評価対象区間70区間のうちとりわけ佐久南―佐
久JCTは有料ケースでワースト7位(64位)、無料ケースでワースト4位(67位)であった。
Dグループは高速道路整備の有料方式がほぼ不可能で、整備するなら直轄方式に限ら
れるものである。
4、12月12日の自民党国土交通部会・道路調査会合同会議において、高速道路のあり
方に関する検討委員会(委員長二階俊博)の報告がなされ了承された。報告では、法
定予定路線11,520kmは、国の責任において着実に整備し、特に整備計画区間9,342
kmは、厳格な評価基準に基づき、国民経済的な意義が確認されたことから、現在
の整備スピードを落とすことなく、確実に整備するものとされた。そのうえで自民党
としての道路関係四公団民営化の基本的枠組みの考えをとりまとめた。
5、中部横断道佐久南〜佐久JCT(仮称)及び八千穂〜佐久南間についての長野県の整備
手法についての回答は、「整備にあたっては、地域の実情や特性を考慮し、4車線か
ら2車線への変更をはじめ、様々な観点から早期整備が可能となるよう検討すべき」
「地域の実情や特性を考慮し、様々な観点から道路環境の早期整備が可能となるよう
検討すべき」という回答であって、新直轄あるいは有料道路方式についての明確な態
度は示されなかった。また、地元からの陳情書においては、国土交通省の評価は極め
て厳しいものであり、衝撃を受けているとしているものの、では整備方式について
どうしてもらいたいのかという声は陳情書の文中からは全くうかがうことができな
かったし、また佐久の地元からも整備方式についての議論すら全く聞こえてこなか
った。整備計画9,342キロの未整備区間をもつ全国他の地域で新直轄を求める陳情が
活発に行われてきたことと較べても全く対照的で、これまで全く動きがなかったこ
とは、奇異に映るほどであった。わずかに八千穂村長と八千穂村議が心配をして陳情
に来られ、新直轄という方式があるならそれでやって欲しいと要望されたのみであ
った。なお地元ではこれまで新直轄の議論は全くなかったとのことであった。12月
19日中部横断自動車道建設推進議員連盟の会合が開かれ国土交通省道路局次長の榊
氏から中部横断道の評価結果の説明を受けたが、超党派の議連ではあったが、野党
議員は誰も来なかった。私は、勿論、中部横断道の高速ネットワーク整備における重
要性を強調し、新直轄採択を強く要請した。
6、道路関係四公団民営化の基本的枠組みについては、12月22日政府・与党申し合わ
せにより、その決着が図られた。その内容は、
(1)民営化に向けた有料道路の対象事業等の見直しについては、未共用区間(約
2,000km)の事業方法等を見直し、@直ちに新直轄方式に切り替える道路、A有料道路
事業のまま継続する道路に分け、そのいずれについても、B抜本的見直し区間を設
定するものとされた。また、既定のコスト縮減計画4兆円に2.5兆円を上乗せし、計
6.5兆円のコストを引き下げ、新直轄方式に切り替える3兆円を除くと、有料道路の
対象事業費は10.5兆円に引き下げることとされた。これは当初計画20兆円に対し半減
となり、新会社発足後は7.5兆円の有料道路事業となる。
(2)新たな組織は、公団事業を引き継ぎ、道路の建設・管理・料金徴収を行う特殊
会社と、資産・債務を保全し、会社からの貸付料収入で債務を返済する独立行政法
人の機構が設立され、道路公団は3社に地域分割される。
(3)高速国道料金は、平均1割程度引き下げ、さらにマイレージ割引、夜間割引な
ど更なる引き下げを実施。
(4)新規建設については会社の自主性を尊重するものとし、事業中区間の取り扱
いについては、国土交通大臣が民営化後速やかに地域会社が建設する区間について
協議し、これが進まない場合は、他の地域会社と協議し、会社が建設しないことに
正当な理由がある場合は、会社が建設する区間とはしないこととされた。
(5)12月22日自民党国土交通部会・道路調査会合同会議が開かれ、同日の政府・
与党申し合わせを受けて、佐藤道路局長から道路関係四公団民営化の基本的枠組み
について説明を徴し、了承された。ただし「抜本的見直し区間」とされた区間の関係
議員は、これに強く反発し、再検討を求めた。私は、発言を求め、政府与党申し合
わせにまでこぎつけた関係者の労を多とするとともに、@道路公団の地域分割は、
経営安定後の課題とすべきだとの意見もあった中で、いきなり地域3分割にして、料
金プール制の維持は大丈夫か、A政府・与党申し合わせでは、新規建設における会社
の自主性が尊重される枠組みとなったが、これでは、高速道路は誰の責任でつくる
のか責任の所在が不明確となるのではないか、そもそも我が国の高速道路をどのよ
うにどこまでつくるかは、まさに国の責任、政治の責任で決めるべきものであり、
国民特に地方の国民は、高速道路は一体どこまで国がやってくれるのか大変心配し
ており、こうした国民の心配を政治が払拭する必要があると指摘した。
7、道路四公団民営化の基本的枠組みが決着したことに伴い、国土交通省は平成15年
度に新直轄による事業費1,300億円が計上されていることもあり、整備計画の未供用
区間のうち新直轄方式を希望した17道県の22区間と有料道路方式と新直轄方式のい
ずれか整備の早い方を希望した10区間のうち佐久南―佐久、八千穂―佐久南の2区
間を含む5区間計27区間を国幹会議の議を経て、第一次の新直轄の対象区間と決定
した。27区間の総延長は699km、概算事業費は約2兆4,070億円となる。佐久南―佐久
の事業費は270億円、八千穂―佐久南の事業費は580億円が見込まれている。新直轄
方式では、当然のことながら開通後は無料で通行できることとなる。
8、12月25日、中部横断道の佐久ジャンクション(仮称)から佐久南、佐久南から八千穂
インター間の2区間が国が直轄で整備する新直轄の対象区間とした決定されたわけで
あるが、当初中部横断道のこの2区間については新直轄の対象区間とは予定されてい
なかった。このことは、12月22日の信濃毎日新聞の記事、「県内の2区間は「新直轄」
入らず」との大見出しの下で、「中部横断道の長野県内二区間の整備方式について
は、県が国土交通省に明確な考えを示しておらず、含まれていない。」という報道に
あらわれているとおりである。報道に先立って、私は、中部横断道の2区間について
地元からは整備方式についてどうしてもらいたいという声が全く聞こえてこなかっ
たこと、また、整備方式についての長野県知事の回答も意味不明、あいまいなもの
であったことから、このままでは中部横断道の長野県内2区間については今回の新直
轄一次指定にもれてしまうし、さらに今後の取り扱いも極めて不安定なものになる
のではないかとの危機感を強め、直接自身で国土交通省に働きかけることとした。
国土交通省大石技監、佐藤道路局長、榊道路局次長、横田高速道路課長、森調整官
の高速道路整備の決定ライン全員に個々に直接働きかけ、今回中部横断道の2区間に
ついて新直轄の指定を見送ったならば、長野県の態度などからしてこの2区間は極め
て不安定なものとなり、自民党そしておそらくは国土交通省の9,342キロの整備計画
は全線整備するという大方針の大きな弱点となりかねない、不要な議論を招かない
ためにも、今回是が非でもこの2区間を新直轄の対象区間として決定していただきた
いと主張、国土交通省関係者の理解をいただいたところであった。そのかいあって、
まさに最後の段階で佐久JCT(仮称)−佐久南、佐久南―八千穂の2区間が新直轄の対
象区間に追加された。決定後お会いした国土交通省の皆さんからは、「岩崎さん、
よく頑張りましたね」とのお言葉を頂だいした。中部横断道の今後の課題は、今通常
国会で道路公団民営化法案が成立し、民営化問題が一段落した段階で八千穂―佐久南
間に施行命令を出してもらうこと、また、八千穂―長坂間を整備計画に格上げし、
中部横断道全線開通の見通しを得ることであり、全体としていかに早く確実に整備
するかである。今後とも私の政治生命をかけて中部横断道の早期建設に尽力したい。
地元のご支援、ご協力をお願いしたい。
9、平成16年2月27日、新直轄に決定した27区間について平成15年度に計上されてい
る新直轄の事業費1,300億円の予算配分があり、国土交通省佐藤道路局長から箇所
表が私あてに届けられた。これによると、中部横断道は(仮称)佐久ジャンクション
ー佐久南に7,541百万円、八千穂―佐久南に171百万円合計7,712百万円の事業費配
分となった。高速ネットワークの早期整備のためにも、また地域経済の活性化のた
めにも決して少なくない額の獲得となったが、今後この事業費は、道路公団に再委
託して執行することとし、国土交通省と道路公団が協定を結ぶなどの手続を踏んだ
上で執行されることとなる。
10、16年3月2日、自民党国土交通部会・道路調査会合同会議において、高速道路株
式会社法案、独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構法案など道路関係四公
団民営化関係4法案が了承され、国会に政府提案された。4法案は平成15年12月22日
政府・与党申し合わせによる「道路関係四公団民営化の基本的枠組みについて」の内
容を法文化したものであり、この枠組みの下で今後我が国の高速道路建設が進めら
れることになる。
11、16年3月5日、16年度国の予算案が衆議院を通過した。順調な国会審議であった
が、例によって予算案は自民党、公明党の与党が賛成、民主党などの野党が反対の
構図であった。いつも予算案に反対する民主党などの野党が予算や道路建設の陳情
をするようなことはあり得ないことと理解している。
12、16年3月26日、16年度国の予算案が成立した。これに伴い、16年度新直轄の個所
付けが行われたが、中部横断道佐久ジャンクションー佐久南に8,295百万円、八千穂
ー佐久南に361百万円合計8,656百万円の事業費配分となった。15年度分事業費7,712
百万円は全額繰越されているので、平成16年度には中部横断道で16,368百万円の事業
費が執行されることとなる。