1、 全国の鉄道利用者総数は、平成5年度をピークに減少傾向にある。とりわけ地方交

通を支える
地方鉄道において顕著であり、鉄道路線そのものの存続すら危ぶまれるケ

ースが増加している。こうした状況のなかで、鉄道事業者においては、経営の合理化

や、自治体との協力体制の確立などの懸命な努力を続け、また、沿線住民等の間で利

用者の立場から鉄道を守ろうという「マイレール運動」が全国各地で行われるように

なった。

 

2、        上田市の上田交通においても別所線において数千万円の経常赤字があり、加えて

安全性緊急評
価事業に使う多額の設備投資が必要になることが判明し、上田市に支

援要請を行った。
平成161111日、母袋上田市長と上田市議会議員、別所線電車

存続期成同盟会の皆さん
が、国土交通省大臣政務官室に国の助成の強化の要望に見

えられた。梅田鉄道局長、室谷鉄道局財務課長も同席し、上田地域の皆さんの要望

に耳を傾けた。

 

3、  地方鉄道の再生については、鉄道事業者と地域が中心になって地方鉄道の再生計

画を策定する。鉄道事業者は、運行の安全性向上、輸送力、快適性向上、まちづくり

連携、サービス改善などの施策、そして地域は、財政的支援のほか、駐車場、駐輪場

などのまちづくり、観光振興とのタイアップ、乗客増などの協力を行う。こうした鉄

道事業者による利便性向上への取り組みと地域の積極的な係わりによる再生計画の策

定に対し、国は、近代化補助による重点的、集中支援を行おうとしている。

 

4、  鉄道近代化設備整備費補助金(近代化補助)は、平成16年度予算で27億円余で

あるが、
17年度は上記趣旨により、補助率の1/5から1/3への引上げ、補助対象の

メニュー追加などを行い、国として重点的、効果的な支援を行うこととした。平成

17年度の予算額は2,512百万円。

 

5、 平成172月、別所線再生協議会は、上田交通別所線再生計画を国土交通省に提出

した。再生計画では、輸送人員が平成
8年度の177万人をピークに15年度には127万人

と年々減少し、
15年度の赤字額は約3,000万円に上るとして、事業の存続のためには

三位(鉄道事業者、行政、市民)一体の存続努力が不可欠だと指摘している。また、

再生計画では、このままでは平成
21年度の利用者数は102万人まで落ち込むと想定、

運行本数の増加、通勤・通学旅客の拡大、P&R駐車場整備、別所温泉との一体利用

等の施策を講じることによって
25万人の増加を見込み、21年度の目標値として126

人を見込んでいる。

 

6、 再生計画の実施により、別所線の安全性の向上(レールの重軌条化、コンクリー

ト枕木化、踏切保安装置更新)、輸送力の増強(矢木沢駅における行違い設備の新

設、運行本数の増加)、利便性の向上(大学前駅におけるパーク&ライド駐車場及

び駐輪場の整備、塩田町駅のバリアフリー化)、快適性の向上(待合室の改修、ま

るまど電車の増便)が図られる。近代化工事額は平成
17年度〜21年度の5年間で478

百万円、うち国の近代化補助は
143百万円を予定している。


7、   平成17年7月、国土交通省から上田交通の要望額どおり平成17年度の近代化補助

の国庫補助金
21,646千円の内示を行った。これにより、本年度、大学前駅にP&R

駐車場・駐輪場が設置されるほか、踏切保安設備の更新、軌道強化、レール交換、枕

木交換などが行われる。