154回 衆議院 農林水産委員会 08号 平成14年4月24日 |
| 〇岩崎委員 自由民主党の岩崎忠夫でございます。 野菜生産出荷安定法の一部改正案について質問をいたしたいと思いますが、大臣が途中で退席されるとのことでありますので、大臣の質問から、また質問の順序を変えて御質問を申し上げたいと思います。質問時間が大変短いので、答弁は端的かつ簡潔にお願い申し上げたいと思います。 まず最初に、米国産リンゴの火傷病に係る日米協議の状況についてお伺いしたいと思います。 本年3月1日、米国は、米国産リンゴ生果実の火傷病に係る我が国の植物検疫措置は、WTOの衛生植物検疫措置の適用に関する協定に反するとして、ガット23条による二国間協議を要請いたしました。4月18日、米国との二国間協議がジュネーブのWTO本部において開かれましたが、協議は合意には至らなかったと伺っておるわけであります。 そこで、協議の状況及び今後の展開について、まずお伺いしたいと思います。 |
〇須賀田政府参考人(農林水産省生産局長) 先生言われましたように、4月18日、ジュネーブで、ガット23条に基づくアメリカとの二国間協議が行われました。 協議の具体的内容は、WTO協定上秘密とされておりまして、言及できないわけでございますけれども、協議においては、双方の見解が表明されて議論が行われたものの合意には至らなかったということでございます。 今後、本件については、二国間協議を継続するのか、あるいはWTOの紛争処理パネルの設置を要請するかということになろうかと思いますけれども、いずれにしても申し立て国、アメリカでございますけれども、アメリカ側が判断することでございまして、我が方としては、我が国の立場をきちんと今後とも主張していきたいというふうに考えているところでございます。 |
〇岩崎委員 火傷病につきましては、地球上で今なお未発生国は、中国、韓国、日本それにオーストラリアなど、大変一部に限られた地域になっているわけでありまして現在確固たる防除対策がありません。一たん侵入を許せば、リンゴだけにとどまらず我が国の果樹全般に甚大な影響を与えるものでございまして、我が国果樹産業に壊滅的な打撃を与えるものと果樹栽培農家は大変心配をいたしているのであります。 アメリカは、早ければ5月早々にもパネル設置の要請ができることになります。予想されるパネルの場において、日本のとっている侵入防止措置は、リンゴ生果実に火傷病が寄生する可能性があるため十分な科学的根拠がある旨をしっかりと説明していただきたいとお願いするものであります。 この際、我が国果樹栽培農家の気持ちを体し、何が何でも火傷病は我が国には入れない、そのためにパネルでは徹底的に頑張るという大臣の不退転の強い決意をお伺いしたいと思います。 |
| 〇武部農林水産大臣 米国が紛争パネルの設置を要請するか否かがわからない段階ではありますが、我が国としては、我が国の植物検疫措置は、科学的根拠に基づく病害虫に関するリスク解析を実施した上で講じられているわけでございます。WTO協定と整合的である、 かように考えているところでございます。 いずれにいたしましても、先生御指摘のとおり、火傷病は我が国は未発生国でありまして、万が一にも我が国に侵入した場合には農業生産に重大な被害を及ぼすおそれがあることは言うまでもございません。先生御指摘のような考え方で、その侵入を防止するために万全を期してまいりたい、かように申し上げまして、私の決意といたします。 |
〇岩崎委員 大臣の決意、しかと承りました。よろしくお願い申し上げます。 そこで、今後の日中の野菜貿易についてであります。 中国野菜の輸入の急増を受けまして、昨年4月からネギ等3品目について暫定セーフガード措置が発動されましたが、昨年12月の日中閣僚級協議におきまして、一般セーフガードの本格発動が見送られる一方で、日中農産物貿易協議会を設置して、秩序ある貿易を促進されたところであります。その後、二回の同協議会の会合が持たれました。 また、昨年12月には、中国のWTO加盟が実現し、同時に定められました加入議定書においては、中国のWTO加盟後 12年間適用される対中国経過的セーフガードが規定されました。この対中国経過的セーフガード発動のための国内法整備として、関税定率法等の一部改正案が今国会で成立し、また、対中国経過的セーフガードの措置の運用についてのガイドラインも作成されたところであります。そこで、副大臣にお伺いします。 今後の日中の秩序ある農産物貿易の促進についてどのように考えておられるのか、また今後、再度輸入急増があった場合、どう取り組もうとされているのか、お伺いをいたします。 |
〇遠藤農林水産副大臣 大臣が中途退席しましたので、私からお答えさせていただきます。 去年の12月21日にセーフガード問題に対する日中協議が行われたわけですが、その折に、3品目とは別途に農産物の貿易協議会を行うということで合意をしたわけであります。 我が国としては、今後、日中間の貿易紛争を未然防止するため、あるいは安定的な貿易関係を持続し発展させるためにも、随時関係者が協議、意見交換を行うということにしております。このため、先般、野間副大臣が訪中された際にも中国側の関係者と意見交換を行いまして、随時意見の交換を行おうということで合意してきております。そこで今後は、外交上のルートを通して、いつどのようにしてやるかということを詰めてまいりたい、このように思っております。 また、野菜が再度輸入急増したというような場合にはどうするかということですが1月以降は、御存じのとおり、多少輸入は減少傾向にあろうかと。ただ、今申し上げましたような貿易協議会の場を通して安定した関係というものを確立したい。先方も急増が決して価格の面でも自国の利益にはならないということをようやくわかりかけてきているように受けとめております。 |
〇岩崎委員 続きまして、今回の法改正の趣旨、ねらいについてお伺いをしたいと思います。大分順不同になりましたが、申しわけございません。言うまでもなく、今回の法改正の契機になりましたのは、近年における中国からの生鮮野菜の輸入急増の事態でございます。また、ネギ等3品目についての暫定セーフガードを発動した状況下における真摯な議論の結果であります。 政府・与党の議論の中で、消費者等が輸入野菜を求めますのは、単に低価格ということでなく、定時、定量、定質、定価といった外食業者、量販店等のニーズに国内野菜が十分にこたえていない、そういうことにもあることが明らかになりました。我が国野菜農業が今後生き残っていくためには、中国などとの国際競争に対応できる強い産地をつくることが基本でありまするし、また、消費者、実需者に国産野菜を選んでもらえるような産地をつくることが第一であります。 そこで、まず、今回の法改正の趣旨、ねらいについて遠藤副大臣にお尋ねをいたします。 |
| 〇遠藤副大臣 今さら申し上げるまでもなく、野菜というのは、国民生活あるいは農業生産にとっても重要な役割を占めておるわけであります。ただ、季節的な、気候的なさまざまな条件から非常に価格が乱高下しやすいという特質を持っているわけです。 そういう意味でも、今回の野菜生産出荷安定法等により、急激に下落したときの価格補てんというようなものを確保しなきゃならぬ、また、輸入急増に対応するためにも、いわゆる高コスト構造、あるいは消費者への理解というものをさらに一段と深めるためにこのような法律を用意させていただいて、そして大臣が常々申し上げているように、より生産者と消費者の距離感というか、顔の見える形にしていきたいというのがこの法律をお願いしておる趣旨でございます。 |
〇岩崎委員 今回の法改正が、中国との国際競争にも対応できるような本当に強い産地をつくることに寄与しますように適切な運営をしますように心から期待をいたしたいと思います。 我が国農業におきまして、野菜の産出額は2兆円余りで、全体の23%を占め、野菜は、畜産、米と並んで大変重要な地位を占めております。野菜は豊かな食生活に不可欠なものでありますが、近年の野菜輸入の増加を受けまして、自給率は平成12年で82%と年々低下傾向にあります。 そこで、お伺いいたします。野菜の自給率は将来どの程度確保すべきものと考えておられるのでしょうか。また我が国農業におきます野菜のウエートからいきましても、野菜対策に対する予算措置は現状では十分なものではありません。平成14年の予算においても、野菜の構造改革に必要な予算として総額311億円を計上されましたが、農水省予算3兆2000億からしても大変微々たるものであります。 この際、野菜の生産、流通両面にわたりまして抜本的な構造改革を強力に進めることにしまして、中国などとの国際競争力に対応できる強い産地をつくるために野菜対策予算の抜本的な充実を図る必要があると思いますが、副大臣のお考えを伺いたいと思います。 |
〇遠藤副大臣 まず、自給率については、平成22年までに87%の水準に戻したいと考えておりますが、これはもう平成7年前の水準ですから、相当厳しいと思います。したがいまして、委員御指摘のような構造改革に対する支援措置としての予算というものが絶対的な要件となろうかと思いますが、御指摘のように、311億円というのは、実は前年度の3、4倍の額であります。 今後とも、諸先生方の御理解と御支援をいただきながら、所要の予算が確保されるように全力を尽くしてまいりたいと思います。 |
〇岩崎委員 昨年から比べたら大変な増加だということでありますが、とにかく絶対量が足りないわけでありますから、本当に全国の野菜農家が期待しているような十分な予算がついて、本当にこれで足腰が強くなれる、ぜひともこういったような産地形成に努めていただきたいとよろしくお願い申し上げる次第であります。 次に、相次ぐ食品の虚偽表示事件についてお尋ねをしたいと思います。 野菜の消費拡大には、野菜に対する消費者の信頼確保が欠かせないものでありますところが、雪印食品の牛肉表示偽装事件に端を発しました食品の虚偽表示事件は次から次へと出ているのでありまして、消費者の食品行政に寄せます信頼を著しく低下させているのであります。 平成11年のJAS法改正により、一般消費者向けのすべての飲食料品が義務表示の対象とされておりますが、虚偽表示に対します公表や罰則の強化など、消費者の信頼回復に向け直ちに実効ある措置をとるべきものと考えますが、副大臣のお考えを伺いたいと思います。 |
〇遠藤副大臣 委員おっしゃるとおり、この虚偽表示というのは本当に遺憾なことであり、また、そのやり方も、考えられないような手法を用いているわけであります。JAS法そのものも、学者のお話によれば、性善説に立ったものである、こういうことでございますから、もう虚偽表示なんというのは何をか言わんやと考えておりますし、また、御存じのとおり、今回、罰則を強化させ、また、懲役刑までお願いをして法改正を提出しようとしているわけですが、まず、流通販売業者そのものが、公表されたらば即倒産または整理だ、こういうふうなことを肝に銘じてもらわなければならぬ、雪印の例がそのいい例ではなかろうか、このように考えております。 |
〇岩崎委員 次に、輸入野菜の安全性についてであります。 中国産野菜は、昨年12月、安全基準を超える残留農薬が検出された旨の報道があったことを契機として、その安全性に大変な疑問を持たれているのであります。中国政府は、対日輸出野菜については検査等の安全対策を講じているとしておりますが、厚生労働省が本年1月に、中国産野菜検査強化月間として、中国産の野菜について輸入届け出ごとに100%のモニタリング検査を行ったところ、オオバやブロッコリーニラなど9件で食品衛生法に基づく基準を超える残留農薬が検出され、一部について検査命令が出されました。 また、農林水産省では野菜類について植物検疫を行っておりますけれども、輸入検査の結果、殺虫処理等の検疫措置がかなりの量行わているのであります。 中国産野菜等輸入野菜の安全性については、さらに検査・検疫体制を強化する必要があると思いますが、お伺いをしたいと思います。 |
〇須賀田政府参考人 まず、農林水産省の植物防疫、農産物の輸入 検疫の検査体制でございます。これまでも植物防疫官を適切に配置する等いたしまして、検査体制の整備に努め、植物の病害虫の侵入、蔓延防止を図っているところでございます。今後とも、厳しい定員管理の中ではございますけれども、検査体制の充実を図り、万全を期していきたいというふうに考えているところでございます。 |
〇尾嵜政府参考人(厚生労働省医薬局食品保険部長) 先生お話ございましたように、年明け1月以降2月の18日まで中国産野菜の検査の強化月間として100%のモニタリング検査を実施してきたところでございます。 その以降でございますが、現在も引き続き、複数の違反が認められました野菜については検査命令を実施いたしておりますとともに、その他違反が認められた野菜については100%のモニタリング検査を継続いたしております。 また、違反が認められておりませんけれども検出をされたようなケースにつきましては、モニタリングの実施率を通常よりも高く設定するということで、引き続き強化をやっておるところでございます。 今後とも、輸入時検査の結果やあるいは現地の情報等も踏まえま して、食品衛生法に違反する野菜が輸入されないよう必要な措置を講じてまいりたいというふうに考えておるところでございます。 |
〇岩崎委員 中国産野菜の安全性につきましては、国民が大変心配をしております。 今後とも、必要な検査・検疫体制をしっかりとっていただきたいと思います。そこで、今回の法改正の問題に戻りたいと思います。 今回、契約取引を推進するための契約野菜安定供給制度を創設いたしますことは、輸入野菜の急増に対し、定時、定量、定質、定価といった実需者のニーズにこたえる国産野菜の供給を行い、また、生産、流通コストを削減する意味におきましても大変時宜にかなったものだと考えております。 また、契約取引は、生産者と消費者の顔の見える関係を構築するという消費者のこだわりのニーズにも対応して、輸入物にまねのできない商品提供も可能にすることからしましても、今日的要請にこたえるものと評価できるものであります。 しかしながら、契約取引は、従来行政が関与してこなかった取引であり、実際に行われている契約取引のうちどれだけこの制度に入ることが見込まれるかの問題があります。 また、今後は、ニーズに合わせて多元的、効率的な野菜の流通形態をとる必要があると思いますが、現在でも80%の市場経由率であります卸売市場の、需給の均衡ないし価格形成に果たします市場機能 を弱めることにつながらないかどうか、危惧されるところであります。 また、運用面におきまして、契約数量の充足において、市場から調達できない場合輸入品が使われることになるのではないかとの懸念も一部にあるようであります。 そこで、契約野菜について価格安定制度の中で安定供給制度を創設したねらいは何か、また、制度の運営に当たっては、ただいま指摘いたしました懸念を払拭するよう配慮することが必要だと思われますが、宮腰政務官にお伺いいたしたいと思います。 |
〇宮腰農林水産大臣政務官 御指名賜りまして、ありがとうございます。 野菜の契約取引につきましては、今ほど先生御指摘のように、中間の流通経路の削減によりまして、小売価格の大部分を占める流通コストが削減できること、第二に、野菜の規格の簡素化やコンテナを利用したばら出荷が可能となることで生産コストが削減できること、第三に、通いコンテナ、ばら流通により段ボールを使用しない等の省資源化が可能となること、第四に、生産者と消費者の顔の見える関係が構築できることなどのメリットがあると考えております。 しかしながら、契約取引につきましては、定量供給契約において作柄変動等により供給量を確保できなかったり、市場価格連動契約の場合に価格が低落しても市場出荷のように補てんがないなどの問題がありまして、これが取り組みの障害となっていることから、これを軽減するための仕組みとして契約野菜安定供給制度を創設することとしたものであります。 御指摘の輸入品につきましては、契約数量の充足に輸入品を活用した場合には交付金を交付すべきではないと考えております。 また、野菜流通にありましては、今後とも大量の商品の集荷、分荷、適正な値決め等の機能を持つ卸売市場が重要な役割を担うと考えられるところでありまして、市場経由の流通と契約取引が互いに競争、補完し合うことにより、多様な消費者ニーズに十分対応できる効率的な流通が実現されるよう今後とも努めてまいりたいと考えております。 |
〇岩崎委員 どうもありがとうございました。今後とも、契約野菜がこの野菜の価格安定制度の中で適切に位置づけがされますように期待をいたすものであります。 そこで、現行の野菜価格安定制度は、種々の要件が付されておりますため、そのカバー率は27%、大変低いわけでありまして、野菜価格の低落に対応したセーフティーネット機能を十分に果たしているとは言いがたい状況にあります。今回の改正措置によりまして、カバー率を54%に引き上げることにいたしましたことは、遅きに失したとはいえ適切な措置だと考えます。 とりわけ今回、大規模生産者が直接制度に加入できることとなりましたことは、担い手育成の観点からいたしますれば必要な措置であると思われますが、大規模生産者は農協の共販、共計に参画しておりませんので、産地におきます需給調整機能を今後どのように担保していくかも運用上の課題とされるところでありますが、これへの対応につきまして、宮腰大臣政務官にお伺いしたいと思います。 |
〇宮腰大臣政務官 大規模生産者は、独自の経営方針に基づきまして生産、出荷を行うため、農協とは別に単独で活動する者も多く、特に出荷をめぐりまして、農協との間で野菜の生産、出荷において競合関係にある場合も多いと理解をいたしております 一方、野菜産地におきましては、生産者の高齢化、後継者不足等が進む中で、今後は、担い手であります大規模生産者を地域の野菜生産体制の中にきちんと位置づけ、農協等と生産における役割分担や出荷の調整等を図ることが重要となっていると考えております。 平成14年度から、これまでの重要野菜のキャベツ、白菜、タマネギ、大根等に加えまして、通常の指定野菜につきましても生産者団体 等を主体として計画的な生産、出荷に取り組むこととしているところでありまして、野菜価格安定制度に参加する大規模生産者につきましても農協等と同様に、野菜供給計画の策定とこれに基づく生産出荷を求めることといたしております。こうした措置を通じまして、出荷調整等の需給調整に地域ぐるみで取り組めるようしっかりと指導してまいりたいというふうに考えております。 |
〇岩崎委員 一部の人たちの心配には、やはり産地におきますこういう需給調整に地域ぐるみでしっかり取り組んでいただける、そのような指導をしっかりするということでありますから、大変安心をいたしました。今後ともよろしくお願い申し上げたいと思う次第であります。 そこで、昨年8月、農林水産省は輸入野菜の増加への抜本的な対策といたしまして国際競争力のある野菜産地を育成するための野菜の構造改革対策を公表いたしました。 この対策では、産地みずからが構造改革計画を策定する、産地は低コスト化、契約取引推進、高付加価値化タイプの三つの戦略モデルを参考に、取り組むべき戦略、数値目標を明確化する、構造改革計画を策定した産地の取り組みに対し、野菜施策を集中的に支援することとされておるわけであります。 何事も、事に当たるに、目標、戦略の明確化は欠かせません。労働時間、コストのかかる収穫、調製作業への高性能機械の導入、低コスト耐候性ハウスの設置など、各産地での低コスト化に向けて実効ある取り組みをどのように進めようとされているのか、お伺いしたいと思います。 |
〇須賀田政府参考人 先生言われました野菜の構造改革についての三つの戦略タイプのうちの、低コスト化でございます。この具体的な取り組みとしては三点ばかり考えておりまして、一つが、機械化と規模拡大による生産コストの低減、二つ目が、契約取引、出荷規格の簡素化による生産流通の効率化、三つ目が、通い容器利用等による流通コストの削減ということで、こういうようなことを中核として推進をして低コスト化に取り組んでいきたいというふうに考えている次第でございます。 |
〇岩崎委員 WTO体制下で、EU、米国等諸外国は価格支持を削減し、所得関係や直接支払いによる生産維持、環境保護策へと移行しつつあります。我が国の担い手対策として、農産物に特有な、価格の著しい変動に伴います輸入または所得の変動を軽減するためのセーフティーネットを整備していくことが必要だと思いますが、担い手対策として、経営を単位とした経営所得安定対策の検討状況はどうなっているのでございましょうか。 とりわけ、野菜等の価格安定対策と経営所得安定対策との関係は、今の検討段階ではどのように考えているのか、お伺いしたいと思います。 |
〇川村政府参考人(農林水産省経営局長) 経営所得安定対策の関係でのお尋ねでございます。今、先生おっしゃいましたとおり、望ましい農業構造の確立に向けまして構造改革を推進しているわけでございますが、そのセーフティーネットとして、水田農業の改革と整合性を持った形で今検討を進めているところでございます。このことは先般の食と農の再生プランにも明記をしてございます。そして、当面でございますけれども、改革がおくれております水田営農、今申し上げました。それから、輪作体系のもとでの大規模畑作経営というものが当面の検討課題だというふうに思っておりまして、その検討を進めているところでございます。野菜施策につきましては、今まさに価格安定対策の見直しを含む制度改正案が御審議をいただいているところでございますし、先ほど来ございましたとおり、各種の構造改革対策が実施されておりますので、まずはこれらの効果を見きわめる必要があると考えております。 |
〇岩崎委員 経営所得安定対策の検討をさらに深めて、農家の期待するような案に取りまとめていただきたいと思います。野菜は、とりわけ小売価格に占める流通コストの割合が高く、また野菜の鮮度は、輸送に三日から一週間程度かかる輸入品と差別化できる重要な点であります。国内産地の国際競争力を強化するためには、包装、荷づくり経費や運賃などの物流経費など流通コストの削減が決め手となります。そこで、野菜の出荷規格の簡素化、通いコンテナの普及等流通の合理化、効率化をどのように進めようとされているのか、お伺いしたいと思いますし、また長野県と静岡県のセロリのリレー出荷がモデルとされますリレー出荷による周年安定供給の実現や、コスト、鮮度、安全、環境保全の面でメリットのあります地産地消の取り組みを今後どのように進めていくのか、お伺いしたいと思います。時間がありませんので、野菜の消費対策についてあわせて質問いたしたいと思います。 野菜農業の振興のためには消費拡大が欠かせません。しかし、日本人の野菜摂取量は心配なほど落ちているのであります。野菜一人当たり消費量は、95年に日米逆転し、その差は年々開くばかりであります。とりわけ、日本の若い人ほど野菜を食べない傾向にあることは大変憂慮すべき事態であります。アメリカでは、医学界と連携して、健康面から野菜の効用について訴えたファイブ・ア・デー・プログラムが大成功して、野菜の消費が拡大したと言われております。日本においても、アメリカの例に倣って健康面から野菜の効用をアピールした消費対策を積極的に打ち出すべきと思いますが、どうでございましょうか。お伺いして、私の質問を終えたいと思います。 |
〇須賀田政府参考人 まず、野菜の流通の合理化、効率化の問題でございます。 我が国の野菜流通が多段階、高コスト構造になっているという状況にかんがみまして、これを打破するために、三つの戦略タイプに即して野菜の生産、流通の構造改革を進めるということにしているところでございます。 特に、先生言われましたリレー出荷につきましては、消費地における物流拠点の整備等を通じた実需者に対する周年安定供給を図る、また、地産地消につきましては、直売施設の整備あるいは野菜栽培体験による新鮮でおいしい野菜の供給を図っていくということを骨格として推進していきたいというふうに考えている次第でございます。 それから、健康面からの野菜の効用のアピールの問題でございます。先生指摘されましたとおり、我が国の一人当たり野菜消費量、若年層を中心に減少傾向が続きまして、この15年間で約一割の減少ということでございます。一方、アメリカでは、官民連携をいたしまして健康面に着目した消費啓発運動等を推進しておりまして、この15カ年間で約2割消費量が増加をしているということでございまして、近年では日本を上回る消費水準ということでございます。 このようなアメリカの例を参考に、13年度から、野菜の健康機能についていろいろなメディアを活用して啓発活動を開始したところでございまして、本年度からは、医学、栄養学、教育関係の学識経験者を核とした協議会を設けまして、教育現場や店頭等のさまざまな場面において、野菜の摂取不足による健康への影響等の啓発活動を展開していくということにしているところでございます。 |
〇岩崎委員 どうもありがとうございました。これで質問を終わります。 |