154回-衆-予算委員会第四分科会-02号 2002/03/04 |
| ○岩崎分科員 自由民主党の岩崎忠夫でございます。 本日は、我が国の産学官連携の今日的必要性と、知的クラスター創成事業についてお尋ねをいたしたいと思います。 先月、信州大学繊維学部キャンパス内に、研究交流促進法に基づきます共同研究施設であります産学官連携支援施設が完成をいたしました。この種の産学官連携共同研究施設は、北海道大学に次いで全国で二番目の施設でございます。既に完成前から17の共同研究室は予約で満杯、早くも共同研究室の建て増しを求める声が後を絶ちません。 その背景には、我が国の地域経済が、長引く不況、地方財政の悪化によりまして大変疲弊しており、その再生が喫緊の課題でありますこと、また、その再生には地域の特性を生かした成長性のある新規分野を開拓する産業、企業の創出が不可欠でありますこと、また、最近におきます中国への工場移転に伴います産業空洞化に対処して地域産業が生き残るためには、産学官連携による研究開発型の新規産業の創出に期待するよりほかない、こういう地域のせっぱ詰まった切実な声があるのでございます。 我が国経済は近年、慢性的な需要不足にありますが、イノベーションこそが経済発展の原動力であります。需要不足を打開いたしますためには、イノベーションと需要との好循環をつくり出す必要があると言われます。そのため、大学等の知的資源を活用しましたイノベーションの創出が不可欠であるとして産学官連携への期待がいやが上にも高まっているのでございます。 米国では近年、情報技術やバイオテクノロジーなどの分野で大学の研究が産学連携を通じて実用化に結びつき、そして国の産業競争力の向上に大きく貢献したと言われておるわけであります。また、バイ・ドール法の制定を機に、大学側に産学連携を推進するインセンティブや環境がつくり出され、米国の大学では、学術的研究の基本は堅持しつつも、企業と協力し現実のニーズに合った研究が行われていると聞いているところであります。 ところが、我が国では、これまで産学官の連携が必ずしも十分に行われておらず、共同研究の増加などの動きは見られますものの、研究成果を活用しての新産業の創出にはまだまだ結びついていないと指摘されているのでございます。 そこで、青山副大臣にお伺いをいたします。 我が国の産学官連携は欧米諸国に比較しておくれていると言われますが、どこに問題があったとお考えでございましょうか。また、ただいまは地域経済の厳しい状況の一端を申し上げましたが、国際競争力強化のみならず、地域経済への貢献などの観点からも、産学官連携の今日的意義と今後とり得べき改善方策についてどのように考えておられるのか、御教示を賜りたいと思います。 |
○青山文部科学副大臣 御指摘のとおりでございまして、我が国における産学官連携の実績というものは、近年、相当な成果、実績を上げてきました。しかし、全体的にはなお欧米に比べて日本はまだおくれていると私は理解しております。 その理由には幾つかあると思いますが、一つは、これまで大学側においても産学官連携に対して必ずしも積極的ではなかったことが一つあると思います。それから、これまでの産学官連携というのは、研究者個人と企業との個人的な連携が中心でございまして、例えば大学側と産業界側というような組織的な関係は余りなかったように私は理解しています。 それからもう一点は、企業が独力で、自力でこれまで研究開発を相当進めてきました。いわゆる自前主義であったと考えておりますが、現下の経済社会情勢はなかなか厳しくて、なかなか独力では研究開発が難しいし、せっかくある大学の研究成果というものをぜひ活用していきたいという機運が今出てきておりまして、そういう意味で、これから、反省点は反省点として踏まえて、大学の発展にとっても産学官連携というのは非常に重要でございますし、経済社会にとっても連携はぜひ進めていかなければならないと思います。 大学においても、これまでのような教育であるとか研究であるとかということをさらに充実していくことは当然でありますが、経済社会のニーズにできるだけこたえていく研究開発を進めていかなければいけないということをしっかり受けとめまして、そのための、例えば産学官連携のための組織を強化していく、強めていく、それから、産学官連携を進めていくための人材を養成していく、育てていく、こういうところに力を注いでいきたいと考えています。 |
○岩崎分科員 どうもありがとうございました。 産学官連携の機運が社会的な要請とともに大変高まってきたということであります。今後さらに努力を続けていただきたいと思う次第であります。 そこで、二、三、産学官連携の具体化に当たって問題となります点について伺ってまいりたいと思います。 我が国の大学と企業の間の共同研究、受託研究は確実にふえてきておるわけでありますが、まだまだ本格的なものにはなっていないと言われておるわけであります。こうした共同研究や企業に対する技術移転がこれまでどのようになっているのか、あるいは今後どういった課題があるのか、お伺いをいたしたいと思います。 |
遠藤(昭)政府参考人(文部科学省研究振興局長) これまで、共同研究等あるいは技術移転の関係につきましては、平成10年に、いわゆるTLO法の改正によりまして、研究成果の特許化を進めるという、技術移転機関なんですが、そういった制度をつくりました。また、昭和62年から、国立大学に共同研究センターというものを順次つくるという整備をしております。さらには、民間との国立大学教官等の兼業規制の緩和等々の措置をやってきております。 その結果、共同研究の件数で見ますと、過去10年間で約5倍に増加しておりますし、TLOも26の機関で承認がされております。徐々にというか、今かなり伸びてきているというふうに考えております。 今後の課題でございますが、これらの取り組みをさらに強化するということ、それと同時に、やはり大学発ベンチャーを生み出すような環境整備、それから、目ききとか言われますコーディネーター人材の育成確保、それから組織の強化、そういったあたりに力点を置いていきたいなというふうに考えております。 |
○岩崎分科員 どうもありがとうございました。 これから、共同研究、受託研究を超えて、さらに大学ベンチャーまでというのを見据えて取り組んでいく必要がある、こういう御指摘でありました。 先ほど紹介いたしました信州大学繊維学部キャンパスに建設されました産学官連携の支援施設を拠点としまして、県内外の企業200社で産学官連携により新技術を製品開発につなげますために、技術相談や交流を行う組織、ARECプラザというのが発足をいたしました。 こうした共同研究や技術移転機関などにおきまして、情報の交換、交流の場がつくり出されていきますことは、産学相互の価値観共有の観点からも大変好ましいことでありますが、さらに進みまして、産学官のシーズとニーズのマッチングのためには、大学と民間との人材交流の流動化をさらに促進させる必要があると思うわけであります。 そこで、産学官の人材交流の活発化、研究者の流動性を高める方策についてどのように考えておられるのか、お伺いをしたいと思います。 |
遠藤(昭)政府参考人 産学官の連携の実を上げていこうというためには、やはり人材の交流が本当に大事だと思っております。 このため、平成9年には任期つき任用制度を導入いたしました。それからまた、公募制度の活用によりまして、民間人を大学教官に積極的に登用いたしましょうということにも努力をいたしております。さらに、平成12年度には、国立大学教官が企業の役員兼業をできるように規制緩和を図ったということなど、かなりな制度改正に努めてきております。 徐々にではありますがふえてきているんですが、まだまだ実績は十分とは言えませんので、さらに、規制緩和などを行いまして、この人材交流の活性化が図られるように努力していきたいと思っております。 |
○岩崎分科員 大学と民間との人材交流の活発化、活性化にさらに一段と御努力をお願いしたいと思います。 そこで、大学等におきます研究成果の産業界への技術移転の促進によります新規産業の創出は、我が国の産業競争力の観点からも大変重要だと指摘されておるところでありまして、とりわけイノベーションの進展にベンチャーの果たす役割は、米国の例に見られますとおり大きなものがありますが、我が国の大学発ベンチャーの例はまだまだ少ない現状にあると言われているわけであります。 ベンチャーの育成は、我が国の新産業の創出のみならず、大学等におきます研究の活性化の点についても大いに役立つものと言われておりますが、今日まで、我が国におきまして、大学発ベンチャーの創出を妨げているような要因はどこにあるのか、また、今後、大学発ベンチャーの創出を活性化させるためにどのような条件整備が必要だとお考えなのか、お伺いをしたいと思います。 |
○遠藤(昭)政府参考人 先生御指摘のとおり、我が国の経済活性化を図っていく上で、大学発ベンチャーを次々とつくっていく、そういう環境整備を図るということは、これからの我が国社会にとって大変重要であると思っております。 この点につきましては、我が省では、科学技術・学術審議会というのがあるのですが、そこに産学官連携推進委員会というものを設けまして、昨年7月に中間取りまとめを行っております。そこでは問題点を指摘しておりますが、一つは、アドバイザーなどのベンチャー企業を支援する人材が不足している、それからもう一つは、起業支援あるいはセーフティーネットなど、ベンチャー企業を支える仕組みの整備が十分できていないということなどが指摘をされております。このため、大学内のベンチャー育成システムの整備とか、あるいはスタートアップ時点の支援、これの施策に取り組むことが重要だとされております。 そこで、早速13年度の一次補正、二次補正、ここにおきまして、大学発ベンチャー企業の創出を目的としましたインキュベーション施設、これを13大学、予算をとっていただきまして措置をしております。さらに、14年度予算におきましても、大学発ベンチャー創出を促進しようということで、研究助成、お金を出したりあるいは人を派遣したりというふうなこと、あるいは大学の共同研究センターへの産学官のコーディネーター人材派遣支援、そういったことなど体系的な措置を講じているところでございます。 |
○岩崎分科員 文部科学省におかれても、大学発ベンチャーの育成のために、インキュベーション施設の整備その他さまざまな条件整備を行っておられるということ、大変心強く思う次第でありまして、今後ともさらに力を入れていただきたいと思う次第であります。 これまで産学官連携の推進状況について伺ってまいりましたが、我が国の産学官連携のスピードは、頑張っているとはいえ、いまだしの感がぬぐえません。 我が国の産学官連携の最大の障害は、大学側において、共同・受託研究、特許の取得、ベンチャーの起業等が研究者の評価の対象になることが少ないということが言われておりまして、産学官連携のインセンティブが弱いことにあると言われておるわけであります。 我が国の産業競争力の強化、地方の産業空洞化対策などからしましても、今求められておりますのは研究開発に基盤を置いた新産業の創出であります。また、産学官の連携の強化であります。事態は待ったなしの状況でありまして、施策にスピードが必要であります。 アメリカの産学連携の成功の例を引くまでもなく、お隣の中国でも、教育改革の柱に大学内に付設した校営企業による産学連携と研究成果の産業化への加速を掲げまして、経済発展の原動力にいたしているということであります。 産学官の連携を実効あらしめるためには、大学の組織、人事、教員の身分、予算、財務会計、評価システムなど、大学の教育システムを産学官連携を円滑ならしめる観点から一新し、これを弾力化、柔軟化する必要があります。そのためには、産学官連携をこの際国策として取り上げまして、国策としての産学官連携を進める観点から各般にわたって大学改革を行う、こうする必要があると思われますが、遠山大臣の御所見を賜りたいと思います。 |
○遠山文部科学大臣 大学には教育研究の非常に重要な機能がありますのと同時に、やはり社会貢献というのも非常に重要でございます。その角度から、近年、非常に大学側の取り組み方も改善を重ねてまいっておりますけれども、これからの日本の経済的な発展、あるいは地域の活性化というようなことを考えますと、さらに大学側の取り組みを加速していく必要があると思います。もともとの大学の機能そのものをより発揮してもらうためにということを前提にしながら大学改革をこれまで進めてまいっておりましたが、委員御指摘のような視点も非常に重要だと思います。 いずれにしましても、その本来の機能の発揮と、さらに社会貢献というようなことを念頭に置きながら、現在、大学の構造改革の大きな動きが進んでおります。これは、昨年の6月に、大学(国立大学)の構造改革の基本的方針というのを出しましたけれども、それに基づきまして、国立大学の法人化、いろいろなマネジメントのあり方の改善、あるいは第三者評価による重点的な投資などのいろいろな改革が今進んでおりますけれども、特に、法人化に絡みまして、今委員が御指摘いただいたようなさまざまな改善がこれから図られるのではないかと考えております。 一つは、大学ごとに法人化をすることによって、組織、業務などを弾力化することで、産学官連携など多彩な事業を大学の戦略的判断で実施できるようにするということがございます。それから、教職員の兼職、兼業等の規制を大幅に緩和することによって、研究成果等の社会への還元を一層促進するような仕組みとする、そのような方向で検討が進められているところでございます。 もちろん、産業のしもべとなってはいけない、大学の本来的な機能はございますけれども、より大学自体の活動を活性化することによって貢献していくという姿勢がさらに強まっていくことが望まれますのと同時に、産業界側も、やはり大学の本来の機能を尊重しながら、そして連携をとっていく、そのような社会に私は転換していく必要が非常にあるのではないかと考えております。 |
○岩崎分科員 どうもありがとうございました。 遠山大臣におかれましては、これから大学の構造改革に本当に真剣に取り組むということでありますが、その中で、やはり産学官連携という視点を大いに念頭に置いて取り組んでいただきたいとお願いを申し上げたいと思います。 そこで、ちょっと視点が変わりますけれども、国立大学の研究開発費には、今どういった種類があって、おおむねどういった基準で各大学に配分されているのか、簡潔に一言でお答え願いたいと思います。 |
○工藤政府参考人(文部科学省高等教育局長) 国立大学の研究開発に必要な経費というのはいろいろございまして、私ども役所の方で用意している予算と、それから外で用意されて、それで大学に入ってくる予算とがございます。 大きく言いますと三つでございますが、一つは、何しろ研究費の中心は科学研究費補助金でございまして、御案内のとおり、今御審議いただいている予算では、1703億円御用意しているところでございます。それから、外からのお金としましては、企業あるいは外国、さらには他省庁で御用意しているお金としていろいろございまして、それは結果でございますので、どれぐらい入ってくるかというのはありますが、平成14年度の特別会計予算で予定しております歳出ベースで見ますと、1036億ほどでございます。 それから、私どもで直接御用意しております教育研究経費としまして基幹的教育研究経費というのが2220億ほどございますが、前二者が競争的資金として、実際にそれぞれの審査機関において審査され、配分されるのに対しまして、この基盤的な教育研究経費といいますのは、研究だけじゃございませんで、教育部分、それから管理運営部分もありますのでなかなか区分しがたいのでございますが、各大学別の規模等に応じて配分させていただいております。 |
○岩崎分科員 平成14年度の地域科学技術関連政府予算は、新たに知的クラスター創成事業等の予算が認められたことによりまして、212億円と、前年度から5割の大幅な伸びになっておりまして、大変これは歓迎すべきことであります。また、昨年3月に策定されました今後5年間の科学技術基本計画におきましても、「地域の研究開発に関する資源やポテンシャルを活用することにより、我が国の科学技術の高度化・多様化、ひいては当該地域における革新技術・新産業の創出を通じた我が国経済の活性化が図られるものであり、その積極的な推進が必要である。」と正しく指摘をされておるわけであります。 私は、今後我が国の科学技術が、21世紀中に起こり得るさまざまな環境変化や技術革新、あるいは従来技術の陳腐化等に対応して着実な発展を遂げてまいりますためには、地域のポテンシャルを生かした多様な科学技術の振興を図っていくことがそのかぎになると考えております。多様性、多様な地域科学技術の発展こそが、あらゆる環境変化に耐えて我が国科学技術が発展していくキーポイントだと考えております。大臣の御所見を賜りたいと思います。 |
○遠山国務大臣 委員御指摘のように、まさにさまざまな角度からのこの問題への振興の姿勢が大事だと思っておりまして、地域の個性やポテンシャルを活用した施策を展開しているところでございます。 これまでも、産学官連携によります地域結集型共同研究事業の推進、あるいは全国7カ所におきます研究成果活用プラザの設置、運営、あるいは、研究コーディネーター、目ききでございますけれども、これの派遣による、企業ニーズを踏まえた研究成果の育成等への支援を行ってきているところでございますが、平成14年度におきましては、さらに新たに二つの、ポテンシャルの高い地域を対象として、大学等を核として研究機関や企業の研究開発能力の集積を図る知的クラスター創成事業、それから、地域の中小都市に着目して、自治体の主体性、個性発揮を重視した上で、公募方式による都市エリア型の産学官連携事業を新たに実施することとしております。このように、さまざまなメニューを今実施しようとしております。 |
○岩崎分科員 私が申し上げたいのは、とにかくこの多様な科学技術の発展こそが今後の我が国の科学技術の発展に大変重要であるということでありまして、今後ともよろしくお願いを申し上げたいと思う次第であります。 私は、今大臣がお挙げになりました知的クラスター創成事業こそが、平成14年度政府予算中、大変出色のものだと考えているわけであります。国立大学の研究費全体から見たらその1%にも満たない経費が、全国の大学関係者、自治体関係者、商工団体の皆さんから大変熱いまなざしを向けられているのであります。それは、産業空洞化に悩む地域経済活性のかぎをこの知的クラスター創成事業が握っていると見られているからにほかなりません。それだけ、産学官連携による研究開発型の新規事業の創出が地域経済に必要だとされているということであります。全国からたくさんの知事さん、市長さん、大学の学長さん、地域の経済界の方々が文部科学省に日参していると思います。その姿は、実に新産・工特の指定、テクノポリスの計画承認以来の出来事であります。 ちなみに、新産・工特の指定は、昭和37年に決定されました全国総合開発計画の拠点開発構想を具体化したものでございまして、これにより、過密過疎に歯どめをかけ、国土の均衡発展を図ろうとしたものであります。主として重厚長大型の産業を念頭に、昭和39年から計21地区が指定されました。また、テクノポリス構想は、高度技術に立脚した工業開発を軸に、産学住が有機的に結合した新しい地域づくりを行おうとするものでございまして、軽薄短小のハイテク産業を念頭に、昭和58年から26地域の計画承認がなされました。 そして今日、日本の産業競争力強化と地方の産業空洞化対策の必要性を背景といたしまして、この知的クラスター創成事業が時代の要請として登場したものと私は考えているのであります。そこに地域産業の多様な発展を通じた我が国経済の再生、発展の期待がかけられていると思うのであります。 私は、この知的クラスター創成事業は、国策として研究開発拠点の選定を行おうとするものでございまして、時代を画する事業としてその今日的意義は大変高いものと受けとめておるわけでありますが、こうした知的クラスター創成事業の今日的意義についてどのように受けとめておられるのか、青山副大臣にお伺いしたいと思います。 |
○青山文部科学副大臣 御指摘のとおりでございまして、産業の空洞化が我々にどういう決意をさせたか、つまりこのことは、日本の経済的な国際競争力を非常に弱めてきておる、政治にとっても行政にとっても経済にとっても決して名誉なことではない、そのためには、せっかく大学における研究開発の成果というものを、あるいは、知の蓄積されたものを経済社会に活用していくことが今非常に必要だということがあると思います。 それから、我が国独自の技術を開発して、そして研究開発型の企業を育てていくということが今必要だというふうに理解しておりまして、平成14年度から知的クラスター創成事業を進めていきたいと思っております。この考え方は、技術分野を特化、特定いたしまして、そして大学が中心になってきて、核となってきて、地域の研究機関やあるいは研究開発能力を持った企業、そういった集積を図っていく、それが知的クラスター創成事業であると。 恐らくもう理解していただいておりますから御説明を申し上げる必要はないかもしれません。もう時間がないから、御理解いただいておると思いますので、ぜひ私は、これからこの知的クラスター創成事業を進めて、地域の研究技術開発の重要な柱にしていきたいと考えております。 |
○岩崎分科員 ありがとうございました。 現在、知的クラスター創成事業の実施地域の内定に加えて選定作業を進めておると思うわけでありますが、私は、この知的クラスターの選定基準は、これまで問題提起してまいりましたとおり、個性ある多様な地域科学技術の振興を図っていく観点から、全国各地に個性ある多様な知的クラスターの創成を図っていくこととすることが望ましいことだと考えておるのでございます。 これまでの国立大学に対する研究開発費の配分と同じような考え方で知的クラスターの選定を行い、研究開発費の配分を行うというのであれば、我が国の地域政策史上、まさに今日的要請にこたえて時代を画する事業になろうとするこの知的クラスター創成事業の名前が泣くことにもなりかねません。 尾身科学技術政策担当大臣もその所信表明の中で、「産業の空洞化により疲弊の度を強めている地域経済を再生させるため、地域の大学の頭脳で中小企業の活力を生かして、世界に通用する新事業や新製品を生み出すことが必要」であると強調しているのであります。 私が先ほど例に挙げました信州大学の繊維学部と工学部の周辺には、かつて電子機械部品製造業が集積し、日本のシリコンバレーと称されていたような特色ある地域がございます。このような地域は、今中国との激烈な競争にさらされておりまして、こうした地域では、新興工業国では追いつけないような大学の基礎研究をもとにした産学連携以外に生きる道がございません。 このように、全国の地方国立大学及び周辺の研究開発型企業の中にも、サンショウは小粒でもぴりりと辛い、こういう、分野を特化して個性ある研究開発に秀でた地域が幾つもあるのでございます。こうした芽を摘み取らない意味からしましても、産業空洞化に悩む全国各地の研究開発拠点整備の一つの類型ないしモデルとして、もちろん競争力があり、有望地域でなければなりませんが、そうした分野に特化して個性ある地域も、これを知的クラスター創成事業の実施地域として幾つか取り上げていく、こうすることが知的クラスター創成事業の今日的意義、本来の目的にも合致すると思いますが、大臣の所見をお伺いして、質問を終わりたいと思います。 |
○遠山国務大臣 知的クラスターの選定に寄せます各地域の熱いまなざしを背景とされた先生の大変熱のこもった御議論でございました。 まさにそのような方向でやるべき事業だと思っております。目下、各地域からのヒアリングを実施いたしますとともに、外部有識者から技術的な助言も得て厳正に評価を行っているところでございますが、評価に際しましては、やはり研究開発ポテンシャルや産業化の有望度、さらには事業の実施主体となる中核機関の事業運営の能力でありますとか、自治体独自の取り組みなど、総合的な角度から誤りなく判断をして、将来の日本の活性化につなげる事業として育てていきたいと思っております。 |
○岩崎分科員 どうもありがとうございました。 これで質問を終わります。ありがとうございました。 |